【ほてった頬】 文/樫田 千尋

子供の頃は、ケーキ、チキン、たくさんの料理が並ぶ
待ちに待ったクリスマスだった。
シャンパン風の炭酸飲料を飲んだ妹と私は、
酔うはずないのに頬を真っ赤にさせて
「ういー、よっぱらっちったぜー」 なんて大はしゃぎ。
そんな私たちを見てにやにやしながら、父はいつものようにビールを飲んでいたっけ。
頑固な父は、一年中ビールだったから。

母が毎年注文するクリスマスケーキは年々小さくなり、
かわりにシャンパン風の炭酸飲料は、本物のシャンパンになった。
少し丸くなった父も、シャンパンに口をつけては、
「うまいな」と言うようになった。
今度は本当に少し酔って頬が熱い。
大人になってからのクリスマスは、
家族でお酒を飲む楽しみに変わった。

クリスマスは真冬だが、いつも頬がほてっているような
あたたかい気持ちの高揚感がある。
親元から独立して何年かたつが、
家族みんなで過ごすクリスマスが
なんだか懐かしい。
いつか私も家族が増えるのが楽しみだし、
里帰りもいいかもしれないなあ。

クリスマスに里帰りする、欧米の家族の気持ちが
わかるような気がする。


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