きき酒の方法
 

きき酒とは酒の官能鑑定法であり、目と鼻と口で酒質を判定するものです。科学の発達した現代でも、複雑に構成されている酒の香味を機械で判定することは不可能で、人間の感覚によって行うしか方法がないとされます。 今回は、専門家が行う日本酒のきき酒の方法を紹介します。  

まず、きき猪口に酒を7分目ほど入れて、色を見ます。 きき猪口は容量200mlの磁器の茶碗で、底には青紺色の蛇の目模様が2本入って います。これは、酒のわずかな濁りや色がはっきりと浮き出るようにするためです。
色のポイントは、「さえ」はどうか、「ぼけ」ていないか、「てり」はどうか、そして色の濃さなど。
さえやてりは透明度が高いことを意味し、その反対がぼけです。色に対するきき酒用語は20種類ほどあります。

次に、きき猪口を鼻先に近づけて静かににおいを嗅ぎ、においの性質、強弱、特徴、「吟醸酒」の有無と出具合、「老ね香(ひねか)」や「瓶香(びんか)」などを確かめます。
日本酒のにおいは複雑多岐にわたるので、使われる用語は70種類を超えます。 また、日本酒のにおいは非常にデリケートで、かすかな異臭も品質を損ないますので、用語では、長所よりも短所を表す言葉が圧倒的に多いのです。
なお、一般的にはよいにおいには「香」、悪いものには「臭」をつける傾向がありますが、きき酒用語では悪い場合も「香」をつけていることがあります。

色とにおいを確かめたら、ごく少量(5〜7ml程度)を口に含み、舌の上でころがしてみて味を見ます。ただし、この時に酒を舌の上に長く留めておくと、 唾液で酒が薄まってしまいますから、5〜10秒ほどの短時間で判断しなければなりません。
味に関する用語も70種類ほどあります。

最後に、酒を「はき」と呼ばれる容器に吐き出しますが、その時に口から息を吸って鼻から出して、再び感じるにおいを確かめます。 きき酒では、酒を飲んで酔ってしまうと判定機能が狂ってしまいますので、決して飲み込んではいけないことになっています。

採点は、一般的には1点から5点までの5段階で行われますが、3段階の場合もあります。

なお、日本酒を加温した状態できき酒することを「燗酒ぎき」、または「熱酒きき」といい、通常は50度C程度の温度で行います。一般にきき酒は常温の状態の日本酒で行います(これを「冷酒ぎき」といいます)が、市販酒などのきき酒の場合は、冷酒ぎきと燗酒ぎきの両方を行うこともあります。


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