| 燗向きの酒、冷や向きの酒 冷酒の美味しい季節になって参りました。まだまだ涼しい日もありますが、暑い 日にはキンと冷やした日本酒でくつろぎたいものです。 今回は、燗に向く酒と冷やに向く酒の違いについてお話したいと思います。 日本酒の味や香りは、400種類以上ともいわれる香味成分の複雑かつ多岐なバラ ンスによって作られています。そのため酒のタイプによっても適温が違うとされますが、一概にはいえません。 たとえば、吟醸タイプの酒は冷やして飲むと美味いというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。吟醸酒でも、10℃以下で一年以上熟成させれば、ぬるめの燗をつけてもフルーティーな香りが少しも変わらないほど安定した酒になるものもあるんです。実際、純米吟醸酒などでぬる燗をすすめているお店もあ ります。ただ、フルーツ系のフレッシュな香りを楽しむタイプの酒は、温めるとアルコー ルが際立ってしまい、味わいを悪くするものが多いため、吟醸酒や生酒では冷や で飲むのが無難だそうです。とくに、大吟醸に多いフルーティーでしかもシャープなタイプの酒は、冷やで飲むのに適しています。また、人の味覚は低温では甘 味をあまり感じなくなるので、酸味をより強く感じることになります。その分、吟醸酒ならではのフレッシュさを味わいやすいということでもあるのでしょう。しかし、一口に冷やといっても、冷やし加減で10℃くらいの温度差があるので、 それぞれの酒に合った温度をみつける必要があります。 一般に、日本酒は温度を高くするほど舌触りが滑らかになり、甘味、酸味、苦味などのバランスがよくなって、より旨みを増すとされています。ただし、燗に向 いているのは、もともと旨みや酸味の強い濃醇タイプの酒で、奥行きのある味で こくのしっかりとした酒質のものなら、常温でも旨みが際立ちます。山廃造りな どの生もと系酒母で造る酒は、もともと燗をして飲んでいた酒なので、最も燗に向く酒といわれます。ただ、現在は山廃吟醸など、生もと系の酒でも香りを重視 した造り方をしている場合が多いです。そういった酒は温度が高いと香りのボリュ ーム感が強調されすぎることがあるので、通常の燗よりも低めにしたほうがいい といわれます。反対に、旨み成分の少ない淡麗タイプの酒は、燗をすると水っぽ くなってしまい、アルコールが舌を刺激するような傾向が強いといいます。 本醸造酒や質の良い普通酒には、香味のバランスがとれていて、しかも安定しているものが比較的多く、その場合は、冷や、常温、燗どの温度域にも合います。また、熟成の進んだ古酒の場合も、燗にも冷やにも向くオールマイティータイプのものが多いそうです。 難しいことを語ってしまいましたが、お店によっては燗向き・冷や向きの表示を掲示してあったり、お酒に詳しい店員が季節ごとのお勧めを紹介してくれたりしますので(もちろん三喜屋でも!)迷ったら専門家に聞いてしまうのが一番です。
|
|
|
||
| Copyright(C)2001-2004 MIKI-YA. All Rights Reserved |
||