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【二人のお酒】 文/藤田蒼海
彼と付き合い始めて3年、いつも同じ時間に待ち合わせをして電車に乗る。
行き先も同じ、見る場所も同じ、最終的には夕食も兼ねてお酒を飲む。
これが私たち二人のお決まりのパターン。
「いつも私たちは同じことしかしてないね。」
「そうだね。」
「私と一緒にいて本当に楽しい?」
「楽しいよ。好きなお酒も飲めるしね。」

彼はとてもお酒が好きな人。一緒にお酒を飲んでいるとそれが良く分かる。
お酒を飲んでいる時の彼の顔は本当に嬉しそうだし、幸せそうだ。
だから私は時々お酒に嫉妬する。
『私がいなくてもお酒があれば生きていけるでしょ?』
喧嘩するたびに私が言うセリフ。すると彼は決まって口篭もる。
今日もきっとそうだろう、私はそう高を括っていた。
けれど私の予想は外れた。
「お酒があっても君がいなければ意味がないんだ。」
「好きな人と飲むからお酒は美味しいんだ。」
彼はいつもより大きな声で私に言った。
あの日から数ヶ月が過ぎたけれど私たちのパターンはなにも変わらない。
いつもと同じ時間に待ち合わせをして電車に乗る。
同じ場所へ行き、同じモノを見て、お酒を飲みに行く。
でも「二人のパターン」ではない何かが変わったことは確か。
なぜなら私はあの日以来お酒に嫉妬することがなくなったから…。
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