【年に一回のワイン】 文/インディゴ


「記念」
とひとこと言って、テーブルの上に置かれた
赤ワインと鉢植えの花。


「なんの記念?」
また
「記念日!」とだけ彼。
ふだんから口数の少ない彼。

10月13日
そうだ!今日は結婚記念日だった。

忘れたわけではないけれど、
今日がその日だということを忘れていた。

普段気の利いた言葉を言ってくれる彼ではないけど
決めるときは決めてくれる。
それが1年目の結婚記念日。
甘口が好きな私に合わせて、おもいっきり甘口ワイン。

これが逆で、彼が記念日を忘れていたら、
きっと私はすごく怒ったに違いない。
女は勝手なもので、自分が忘れるのは許せるけど、
男が忘れるのは許せないのだ。

二人でワインを楽しんだけど、花は枯れてしまった・・・。

そうして、毎年赤ワインと花を買ってきてくれる。
ワインの空き瓶10本。
空の植木鉢10個。

毎年花を枯らしてしまう私。
記念日の数だけ増えていく、二つのセット。


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