【こんな夜は】 文/いっぽ

今日はやけに冷える。

ゆっくり風呂に入り、冷蔵庫の缶ビールを一口飲む。
ふと、静かなことに気がついた。
雪だ。

真っ白く曇った窓を開けると……ものすごい雪だった。
あとからあとから降ってくる。
羽毛布団をぶちまけたように、小気味いい。

しばらくポカンとみとれていたが、すぐに明日の通勤の心配が頭をよぎる。
思わず苦笑した。
まったく、今考えても始まらない。
ちょっと早めに起きて、ぬれてもいい靴でも履いて行けばいい。
長ぐつなんぞは持っていないから、積もっていたらジョギングシューズにでもしよう。

それにしても……なんて雪だ。
こんなに降るのは珍しい。
なんとなくワクワクしてきた。
子供の頃は、次の日の雪合戦や雪だるまを想像しながら眠たっけ。

おおっと、寒くなってきた。
もう窓を閉じないと風邪をひきそうだ。

暖かい部屋で、外の雪を感じながらビールを一杯。
だが、この眺めにビールだけではもったいない。
次は日本酒で燗にしよう。

こんな夜はおやじが好きだった飲み方だ。


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