数年前、兄の結婚披露宴に出席した。身内のみの少人数での披露宴だった。 司会者も何もなく、兄が挨拶を済ませ乾杯することとなった。ホテルマンが数人、シャンパンを開けてグラスに注いでいった。乾杯が済み、テーブルには烏龍茶やビール、ジュースなどが置かれた。 離れた席に座っていた父親が私のテーブルに大きなビンを持ってやってきた。 「おまえもったいないから飲んどけよ」と渡したのは、乾杯のときのシャンパンだった。 ボトルには半分以上入っている。確かにもったいない。 妊婦だということを忘れつい飲んでしまった。気付いたらボトルの中はほぼ空っぽになっていた。 友人の結婚式だったら、親族の方がいろいろなものを勧めに来たりするだろう。自分が親族ならその逆。しかし、その結婚式はみな親族。気を使うものはほとんどいなかった。たまに親戚の伯父さがちょっと来ただけ。 結局そのボトルは1人で、それも手酌で飲み干してしまった。結婚式には数度出たが、こんなに酔っ払ったのは初めての経験だった。 普段では考えもしないが、乾杯のあとのシャンパンは一体どこへ行くのだろう? 人数が少なかったからたっぷりと残っていたのか、それともいつもこんなに残ってしまっているのだろうか。それだともったいない話である。
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