【瓶ビール・ノスタルジー】 文/パソアド
 

酒と付き合いはじめたのはいつ頃からだろう。
ご多分にもれず、20歳になってから初めて飲むわけがない。

親父が晩御飯の時に大きいグラスでビールをつぎ、溢れんばかりに泡がふくらむ まで嬉しそうに入れていたシーンがよみがえる。
子供の頃にちびっと舐め、何でこんな苦いものがうまいのかと思ったのは、誰も が経験していることだろう。
あんなに大きなジョッキーで飲めるのも不思議でならなかった。
そして、気が付けば大ジョッキーでごくりごくりと泡ひげ作りながらやっていた。

そうだあの頃は缶ビールというものがなかった時代だ。 あの栓を抜く時のシュポッという音は最近聞かれないじゃないか。
飲み屋で瓶ビールを頼んでも、栓がないぞ。
あの王冠(これも古い言葉だ)のノスタルジーはどこへいったのだろう。 TVコマーシャルでも昔はあのシュポッをふんだんに使っていた。

そのうちもうあの音は聞けなくなってしまうかもしれない。
瓶牛乳の紙蓋キャップとともに。


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